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井上はり灸整骨院

コラム

症例

橈骨神経麻痺

■症状

手関節や指が背屈できなくなる下垂手となる。

下垂手の状態は手関節、MPは伸展できないが、DIP、PIPは伸展可能。

母指と示指の間の部分でしびれや感覚の鈍麻が起こる。

 

下垂手の状態だと指の屈筋が緩んでいる状態のため、指屈筋の力が入らずに手内筋だけで握ろうとするのでほとんどの場合、握力も低下する。

橈骨神経が障害されやすい部位は2カ所あり、1カ所はわきの下で、もう1カ所は上腕の外側中央部。特に上腕外側中央部での橈骨神経の圧迫が多い。

神経が圧迫されている所にチネル徴候がみられる。ほとんどの場合、致命的な神経損傷になることはない。

 

筋力テストでの6段階の評価法   レベル麻痺2以下は治療が必要

5 強い抵抗に逆らって完全に運動ができる
4 若干の抵抗に逆らって完全に運動ができる
3 重力に抗して完全に運動ができる
2 重力を除くと完全に運動ができる
1 わずかな筋収縮があるが、関節は動かない
0 筋収縮なし

 

■原因

酔っぱらったりした状態で腕枕をして寝ていたり、硬い荷物を挟んだままの姿勢が長時間続くと、橈骨神経が主に上腕中央外側部で上腕骨と硬いものの間で圧迫されて損傷をおこし、橈骨神経麻痺となる。

恋人を腕枕して眠ると神経麻痺を起こすことが多いことからハネムーンシンドロームとかサタデーナイトシンドロームなどと言われる。

 

■治療

予後は良好。早くて1か月。通常は2~3か月で完治することが多い。

稀に難治性になることもあるので早めの治療が重要。

初期はコックアップスプリントという装具を付けて手関節を背屈した状態で固定する。

手関節を背屈させておくと、指屈筋が緊張し握力が上がるので物をつかみやすくなる。

 

動きが出てきたら、自分でなるべく動かしてみる。過度に筋肉を疲労させるのも良くないため適度な指導が必要。

患部を冷やさない。筋肉の運動ができていないため、血行も悪くなっている。

温めて血行が良くなると酸素や栄養分が運ばれ、神経の再生を助ける。

神経に回復を促進させるため、飲酒を控え、睡眠をしっかりとる。

 

発症早期にメチコバラミン(ビタミン剤)、ステロイドを服用することがある。

麻痺を容易に繰り返す場合は髄鞘の異常がありえる。

 

後骨間神経麻痺

■症状

肘の屈側で後骨間神経の圧迫を起こすと下垂指となる。手関節の背屈は可能だかMPの伸展が不可能。感覚の障害はない。

後骨間神経はフロセのアーケードという回外筋入口部の狭いトンネル部に入るのでその部は移動性がなく障害を受けやすい。