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井上はり灸整骨院

コラム

症例

モートン病

■症状

歩行時などに、足の裏から指先にかけて鋭い痛みや痺れが出現する。時に灼熱感や感覚異常も出現し、特に中指、薬指の付け根付近に痛みや痺れが出現しやすい。足趾の背屈やつま先立ちすると痛みが増強する。中足骨頭間に圧痛やチネル徴候があり、腫脹や腫瘤ができる場合もある。

両サイドから足に力を加える誘発テストを行うと、痛みや痺れが出現する。偽神経腫が大きい場合はMRIやエコーでも診断できる。

20~50代の女性に多い。裸足や足先の広い靴に履き替えると傷みや痺れが軽減される。

■原因

合わない靴や足先が狭い靴、ハイヒールなどで長時間つまさき立ちをするような姿勢が続くと発生しやすい。足底神経の枝、総底側趾神経が圧迫されて起こる絞扼神経障害である。

歩行により底側趾神経が地面と深横中足靭帯により繰り返し擦られることにより変性肥厚して偽神経腫を形成する。また、底側趾神経が中足骨と中足骨に挟まれ圧迫がされておこる。

半数以上が第三、第四趾間に生じ、次に第二、第三趾間が発症しやすい。第三、第四趾間では、外側足底神経と内側足底神経が吻合して趾神経になるため、太く可動性が少なく障害されやすい。

また、前足部の横アーチの低下によって神経が圧迫されることもあり、足の構造自体がつま先の方に行くにつれて、アーチが平坦になっており、環境としても圧迫を受けやすくなっている。

■治療

ほとんどの場合、保存療法で回復する。使用している靴をゆとりのある靴に履き替え、圧迫を軽減するために足底板療法やテーピングを行う。また、崩れた横アーチの再構築のため、長趾屈筋、長腓骨筋、長短母趾屈筋、母趾内転筋の筋肉をタオルギャザーなどのトレーニングを行って鍛える。

マッサージで患部の筋肉を緩め、圧迫状態を解除し、温熱療法で患部の循環をよくするのも効果的である。

保存療法で改善が見られない場合は手術療法を検討する。手術は、神経を圧迫する靭帯を切離して、癒着している神経を切除することが一般的であり、偽神経腫を摘出する場合もある。

変形性膝関節症(膝OA)

■症状

膝関節の痛みと腫脹(滑膜の肥厚による)。膝の内側に多い。

膝蓋上方に水腫が溜まる。

関節軟骨が磨り減り関節の隙間は狭くなり、膝関節の骨の変性が始まり骨棘ができる。

膝の内側裂隙に圧痛がある。高齢者の女性に多い。

Kellgren-Lawrence分類

グレード0:正常

グレード1:関節裂隙狭小化の疑い。軽度の骨棘形成

グレード2:骨棘形成と軽度の関節裂隙狭小化

グレード3:中等度,複数の骨棘形成,関節裂隙狭小化,軟骨下骨硬化

グレード4:大きな骨棘形成,高度の関節裂隙狭小化,高度の軟骨下骨硬化

 

症状においての分類

  • 初期:動作開始時痛。
  • 中期:歩行時や階段の上り下りで痛む。
  • 末期:夜間痛、膝関節の可動域制限、軋轢音がある。

■原因

  1. 老化や体重による関節軟骨の変性。
  2. ヒアルロン酸(関節包の中で潤滑液として働き、軟骨の栄養分)の減少。
  3. 半月板損傷や膝の手術後の二次性変形性膝関節症。
  4. 遺伝的要因。
  5. O脚等の足の変形。

■予防

  • 大腿四頭筋を鍛える。
  • 正座を避ける。
  • 体重を減らす。
  • 温めて血行を良くする。
  • 杖を突いたり、水泳をする。
  • 痛みが強い場合は安静にし、痛みがひいてくれば痛みが出ない程度に徐々に運動を行う。

タナ障害(滑膜ヒダ障害)

■症状

膝蓋骨の内側に引っかかるような感じがあり、膝を動かすときに痛みがある。

膝の屈伸でコリッと音がする。

膝蓋骨の内側のやや下方に索状物と圧痛が認められる。思春期から青年期に多い。

原因

胎生期に関節を覆う袋(関節包)が造られていく過程で一時的にできる「滑膜ひだ」が、遺残としてその後も存在する状態で、膝関節の関節包の内側にもともと約50%の人に「滑膜ひだ」が存在する。

このひだが関節に挟み込まれて炎症をおこし痛みを生じる。

■治療

  • 大腿四頭筋の強化とストレッチ。
  • ひどい場合は、稀に関節鏡視下で手術する。
  • 膝を温める。

足関節捻挫

捻挫とは関節が捻られ、骨以外の軟部組織が多かれ少なかれ断裂した状態。

レントゲンで骨折や脱臼のない関節の外傷はすべて捻挫と診断される。

足関節に見られる全外傷のうち75%をしめられるとされ、発生頻度の高い疾患の1つとされている。

殆どが保存的療法で改善。

■捻挫の分類

●第1度:

筋・腱単位のわずかな損傷、単に引き伸ばされた程度のもので、後に影響を残すことは少ない、圧痛、軽度の腫脹、筋の場合、硬結などは認められない。関節包は痛んでいない。

  • 荷重かけられる。
  • 皮下出血なし。
  • 回復期間:1週間以内
  • 保存療法

第2度:

筋・腱単位の部分損傷(断裂)である。圧痛、腫脹、筋の場合は圧痛、硬結を認める。経度の関節の不安定性がある。関節包に損傷あり。

  • 荷重は痛みを伴う。皮下出血は伴う事が多い。
  • 回復期間:約3週間
  • 保存療法

第3度:

筋・腱単位の完全損傷(断裂)である。筋の場合、局所の硬結が著しい。腫脹、圧痛、疼痛が強い。関節の不安定性が強くなる。関節包損傷あり。

  • 加重不可。 皮下出血伴う。
  • 回復期間:6~12週
  • 保存療法 又は 手術療法

■症状

足関節の腫脹、損傷部位の圧痛、受傷時と同じ足関節の方向への他動運動で痛みがある。

足関節(足首)捻挫のほとんどは、足関節を内側に捻って起こす外側靭帯の損傷が多い。

中でも前距腓靱帯を損傷する事が最も多い。次いで、踵腓靭帯、後距腓靭帯の損傷が多い。

前距腓靭帯の断裂の場合、前方引き出しテスト陽性(5mm以上の動揺)。

10歳以下の小児の場合は、靭帯損傷はほとんどなく腓骨下端の裂離骨折となる。

三角靭帯は強力な靭帯であるため、損傷したときは重度となりやすい。

他には前頸腓靭帯、後頸腓靭帯、長短腓骨筋、二分靭帯の損傷があり、二分靭帯の損傷には踵骨前方突起の剥離骨折を伴うこともあるが、単なる足関節捻挫と間違われていることがよくある。

この靭帯のすぐ外側に痛みが強い場合は、短腓骨筋の牽引による第5中足骨基部剥離骨折を起こしていることがある。

外反捻挫の場合には、三角靭帯を損傷することが多い。

内反捻挫が多い理由:

  1. 内側の三角靭帯が、外側の靭帯に比べて強度が大きい。
  2. 内果の位置が外果に比べ、近位に位置しており内側に捻りにくい構造となっている。
  3. 距骨滑車前方に比べ後方が狭いことで、底屈で足関節の遊びが大きくなり不安定性がでる。
  4. 腓骨筋が底屈位で機能しづらく不安定性がでる。

■治療

  • RICE処置を行う。
    REST=安静
    ICE=アイシング
    COMPRESSION=圧迫
    ELEVATION=挙上
  • 3度の損傷に対して、かつては手術治療が積極的に行われることが多かったが、最近は保存治療をすることが増えてきた。
  • 足関節の靭帯は断裂しても修復されるが、きちんと固定していないと靭帯が緩んだまま固まってしまい足関節不安定症につながる。緩みが重度の場合や激しいスポーツをする場合は手術を行う場合もある。

オスグット・シュラッテル病

成長期(特に10歳~15歳)のスポーツをしている少年少女におこりやすい膝下にある脛骨粗面の痛み。

比較的男子に多い。

膝の代表的な骨端症。骨端症を成長痛の一つとみるか別とみるか意見が分かれている。

オスグッド・シュラッター病、オスグッド・シュラッター症候群、オスグッド病とも言われる。

大腿四頭筋の筋力に引っ張られ、脛骨粗面が変形し突出してくる。ひどければ骨が剥離して骨片(オシクル)がみられる。

サッカー、バスケット、バレーボールなどの跳躍をするスポーツに多い。

■症状

脛骨粗面部の痛み (正座時の痛み、走行時、歩行時の痛みひどくなると安静時でも痛くなる)

患部の突出変形、腫れ、熱感

脛骨粗面部の限局した圧痛

一ヶ月ほどの安静が出来れば、症状が治まることが多いが、運動を再開すると再発をくり返す。

ほとんどの場合は小学生高学年から中学生の期間で起こり、高校生(16歳~18歳)になると骨の成長が止まるので症状が治まることが多い。

■原因

膝伸展機構は大腿四頭筋から膝蓋骨、膝蓋靭帯・膝蓋腱、脛骨粗面へと連続する。スポーツ選手では膝伸展の反復により、これらの部分に牽引力が働き、脛骨粗面が弱点となり、疼痛が起こる。

10歳~15歳の骨は成長の過程で柔らかい骨から硬い骨へと変わっていくが、 その間の骨はやや不安定な状態になり、運動などの刺激によって異常が生じるものと考えられている。
こうした不安定な状態は、骨の成長スピードに膝周辺の筋肉や腱の成長が追いつかず、アンバランスな筋骨格構造になることが主な要因で、こうした状態に過剰な運動による負荷が加わることで症状が現れる。

■治療

安静が第一。キックやジャンプの動作は禁止となる。

温熱療法、大腿四頭筋のストレッチングや筋力強化訓練などのリハビリが効果ある。

大きな骨片が存在する場合には手術的に摘出することもある。

時期が来れば痛みは消えると言われているが、実際はスポーツなどは完全に中止し、休養をとらないと完治は難しい。