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井上はり灸整骨院

コラム

症例

寝違え

■症状

急に頚部及び肩甲帯部に疼痛を覚え、頚椎の運動制限がある状態。

 

頚の筋肉に持続的筋収縮が起こり、筋肉の血流が妨げられて代謝産物がたまって炎症を起こしたものとみられ、筋肉痛に似た痛みが生じる症状のことである。多くの場合は数日で軽快する。

 

泥酔状態で睡眠した場合、通常の睡眠とは異なり昏睡状態に入るため、昏睡状態での睡眠時は寝返りなどの行動も減少し、同一姿勢のまま眠りにつく傾向にあるため、一部分に負担をかけ続けてしまうため寝違えが起こる。

 

寝違えは、椎間関節の捻挫とも言われている。

 

 

■原因

疲労、寒冷、湿度や気温の激変などのほか、枕を変えたり、睡眠中に無理な姿勢を取ったり、無理な頚の動かし方をしたり、起き抜けに不用意に頚を捻ったりしたことなどが誘因となる。

 

 

■対処法

  • 無理に頚を動かさない。痛みが強いときは、体勢を起こしているだけでも頭の重みで負担となるため、横になり頚にかかる負担を軽減し安静にしておく。
  • コルセットを巻く。

TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)

尺骨の手関節部分の突起の周囲にTFCC(三角繊維軟骨複合体)と呼ばれるハンモック状の組織があり、手根骨と尺骨の間にかかる負荷を均等にするクッションとしての作用と、遠位橈尺関節に安定性を与える作用がある。このTFCCが損傷を受け、手首に痛みが出る疾患をTFCC損傷という。TFCCを構成するものは、尺骨頭と尺側手根骨の間にある。

 

 

①尺骨手根半月

②関節円板

③尺骨三角骨靭帯

④尺骨月状骨靭帯

⑤掌側橈尺靭帯

⑥背側橈尺靭帯

⑦尺側側副靭帯

⑧背側橈骨三角骨靭帯

などの複合体のことで、日本語では三角線維軟骨複合体という。

 

■症状
尺骨頭と手根骨の間に圧痛、腫脹、発赤、熱感があり、回内、回外、尺屈時に手関節の尺側部に痛みを訴え、重いものを持ち上げる動作で痛みが出現する。安静時の痛みはみられないことが多い。重度の場合、遠位橈尺関節に不安定性が出現する。

尺屈回外テスト陽性。
検査で異常が出ないことが多く、ほとんどの場合はレントゲンに問題はない。MRI、関節造影検査が確定診断となるが、MRIはTFCC自体がそれほど大きなものでない上にMRIのスライス幅の限界が2~3mm程度のため、スライスによっては判断できない。関節造影検査では、損傷部で造影剤の漏れを認めることができる。
■原因

TFCC損傷は手を突いて倒れたり、手が過度に回内されて受傷することが多い。野球やテニスをしている人に多く起こる。また、加齢変性に伴い損傷することもある。稀に、尺骨の相対長が橈骨よりも長い例で発生することがあるが、同じ長さおよび尺骨が短い例でも生じる。尺骨が長い場合は、「尺骨突き上げ症候群」といい、仕事や生活上で、手関節を小指側へ動かすことが多い人に発生しやすい。

 

■治療
ほとんどが保存治療で回復できる。外傷性のものには3~4週間の外固定を行い、局所の安静を保つが、症状の強さによって固定の期間は異なってくる。しかし、固定は長くても三ヶ月が限度である。この時期は負担のかかるスポーツや作業は避けた方が望ましい。

慢性的な使いすぎ、変性によるものには、付け外しが簡単な装具を装着したりし、スポーツなどを行うときはある程度手首の自由がきくテーピングで固定する。温熱療法や運動療法も効果的である。

まれに保存療法でも改善されない場合は関節鏡下での手術を行い、尺骨突き上げ症候群の場合は、尺骨短縮術等の手術を行う。

ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)

短母指伸筋腱と長母指外転筋が手首の背側にある手背第一コンパートメントを通るところ(橈骨茎状突起部)に生じる腱鞘炎。

 

■症状

腱鞘の部分で腱の動きがスムーズでなくなり、手首の母指側が痛み、橈骨茎状突起部に腫れと圧痛がでる。母指を広げたり、動かしたりすると、この場所に強い疼痛が走る。

フィンケルシュタインテスト陽性。

 

手関節の近位5センチ程の部位で長母指外転筋と短母指伸筋が長橈側手根伸筋と短橈側手根伸筋を乗り越えるところがあり、その部分をインターセクションと言う。

インターセクションの場所で動作時のギーギーとなる音や疼痛がでる症状をインターセクションシンドロームと言い、ド・ケルバン病と併発していることがある。

 

■原因

妊娠時、産後や更年期の女性に起こることが多く、ホルモンバランスの変化と関係があると言われている。

スポーツマンや、指をよく使う仕事の人にも多い。

 

■治療

  • 局所の安静。
  • 腱鞘内に局麻剤入りステロイド注射をする。
  • 手術療法(腱鞘を切離し、腱を開放する)

ガングリオン(結節腫)

■症状

ガングリオンは良性の腫瘍であり、関節包や腱鞘の変性により起こる。中にゼリー状の物質の詰まった腫瘤で、典型的なものは手関節背側に生じやすい。他にも靭帯や腱鞘、神経内、半月板のほか骨内にも発生し、ほぼ全身にできる。

 

通常は無症状なことが多いが、軽度の圧痛や疼痛を伴うこともあり、神経の側にできると、神経を圧迫し、痺れや痛み、運動麻痺を伴う。神経を圧迫している場合は、腫脹部を押すと圧痛、痺れが出現する。使いすぎで腫瘤が大きくなることがある。硬さは、硬いものからやわらかいものまでさまざまである。

若い女性に多く、男性の約三倍も発生率が高く、再発しやすい。

 

■原因

原因は不明であるが、関節包、靭帯周辺の滑膜細胞、線維芽細胞などが繰り返し刺激を受けた結果、粘液を産生し小嚢胞を形成、さらにそれらが集合してできるという説もある。

したがって、この袋のガングリオンは関節や腱鞘につながっており、関節や腱鞘から送り込まれた関節液や滑液が濃縮され、ゼリー状となって腫瘤の袋の中に詰まっていると考えられている。大きさは米粒の小さいものから、ピンポン玉くらいの大きさのものもある。

また、ガングリオンは皮膚のすぐ下にできることが多いが、まれに、身体の奥のほうにガングリオンができ、一見姿が見えないガングリオンをオカルトガングリオンと言う。レントゲンには写らず、診断はエコーが有用であり、穿刺して内容物を確認し、ゼリー状であればガングリオンと確定する。

 

■治療

ほとんどが、保存的療法で改善する。代表的な治療は、穿刺治療と除去手術と呼ばれる方法がある。保存的療法としては、ガングリオンに注射針を刺して、注射器で内容物を排出する。

また、ガングリオンに力を加えて押しつぶす治療法もあるが、自分で押しつぶしたり対処すると、激痛をともなったり、骨や神経に悪影響を及ぼす恐れがあるため、無理に潰すことは避ける。

それでも繰り返し内容物が溜まるような場合はガングリオン自体を摘出する除去手術を行うが、手術を行っても再発する場合もある。

 

大腿骨頚部骨折

骨粗鬆症の高齢者に多く、特に女性に多い。女性は男性より約3倍多いと言われている。骨折の95%は転倒により起こる。

高齢者の骨折のなかでは最も頻度の高いものである。

内側型と外側型と二種類あり、内側骨折・外側骨折に関わらず、頚体角の増減によって、内転型と外転型を分けられる。

 

■症状

股関節部に強い痛み、腫張、歩行不能。痴呆症状のある方や咬合骨折や不完全骨折の場合は歩けることもある。

 

膝関節伸展位での下肢拳上が不可能になる。典型的に下肢(足)は、外旋位をとり、大転子の上方転位によって患肢の短縮を認める。大転子部の叩打痛。股関節部に異常音がすることもある。

 

アンピルテスト陽性

 

 

●大腿骨頚部内側骨折

内側骨折の場合、関節包内骨折のため腫脹が著名ではない。内出血が少ない。

 

少し足を捻ったぐらいでも発生する。骨癒合がしにくく、偽関節や大腿骨頭壊死を起こしやすい。

 

理由は

  1. 骨頭の血流は、主に大腿骨頭部から入ってくるために、骨折により血管が損傷され骨頭側の血流が阻害されてしまう。
  2. 関節包内の骨折で骨折部に骨膜が存在せず、骨膜性化骨を形成できないため。
  3. 骨折線の方向により骨折部に対して剪刀力が働く。
  4. 高齢者に多発する骨折のため骨形成能が落ちている。

 

ガーデンの分類

  • STAGE1:不全骨折(楔合外転型骨折も含む)保存療法可能。
  • STAGE2:完全骨折で転移のないもの。保存療法可能。
  • STAGE3:完全骨折で部分的転移(経度の転移)を伴う。
    骨接合術または、人工骨頭置換術。
  • STAGE4:完全骨折で完全転移(高度の転移)を伴う。 人工骨頭置換術。

 

●大腿骨頚部外側骨折

明らかな転倒、転落で発生する。内出血が多くみられる。痛み、腫脹が著名。

関節包外の骨折なので血流がよく、骨癒合しやすい。

 

  • エバンス分類
    安定型と不安定型とに分類。
  • 内転型骨折
    頚部内側骨折のほとんどが内転型骨折である。
    頚体角減少=大転子高位=下肢の短縮。内反股になる。
  • 外転型骨折
    頚部内側骨折の外転型骨折は比較的少なく、噛合している場合がほとんどである。噛合している場合、骨性癒合を望めるので、オペしなくてもよい。
    頚体角増大=大転子低位=下肢の延長。外反股になる。

 

●合併症

  • 大腿骨骨頭壊死
  • 偽関節
  • 遷延治癒
  • 沈下性肺炎
  • 老人性痴呆
  • 褥瘡
  • 静脈血栓塞栓症

 

■治療

  • できるだけ早期に歩行できるようにすることが重要。
  • ひびだけの場合や他の病気で体の状態が悪く手術が不可能な場合を除いて、ほとんどの場合は手術による固定が必要。

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