骨化性筋炎
■症状
打撲した後の痛みが1か月以上残り、患部に圧痛、腫れがあり、膝関節の屈曲制限がある。
レントゲン、超音波画像で明確に分かる。
受傷後1週間程度ではレントゲン画像で骨形成が認めにくいため、受傷初期にはレントゲン診断は有効的でない場合がある。
本来は「骨」がない筋肉の中などに骨が出来ることを異所性骨化と言い、骨化性筋炎は筋肉中にできる異所性骨化のこと。
筋肉の炎症に引き続いてカルシウムが沈着し、石灰化現象が起こって筋組織の中に骨が形成される状態。
大腿部前面(特に中間広筋や外側広筋)に起こりやすく、この部分に強い打撃を受けた後によく見られる。
大腿四頭筋に起こる打撲をチャーリーホースとも言う。
■原因
骨化性筋炎は打撲に対する初期の処置が適切でなく、痛みを無視して筋肉を激しく使ってしまうことで起こる。この他にもしこりのある筋肉を強くもむようなマッサージ、痛みがある時点での無理なストレッチも骨化性筋炎の原因となる。
■治療
痛めて2~3日は、低周波などの電気治療やアイシングを行い、ひどい場合は固定をする。急性期の痛みが引いてきたら温熱療法などの理学療法を行う。
十分な休養が必要で、筋肉内にできた血腫がなくなるまで患部に打撃などの強いストレスが加わらないようにすることが重要。 筋肉内に発生した骨性組織の消失が確認されるまでの間、安静とすることが基本。
患部に負担のかかる運動は禁止する。受傷後6週でジョギングは可能となり、3カ月で完全復帰となる。
手術をして、骨化した部分を取ることはほとんどない。