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井上はり灸整骨院

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耳管開放症

耳の奥と鼻の奥とつながっている管(耳管)が開きっぱなしになるために起こる病気。嚥下時以外でも鼻から中耳に空気がもれる状態。

■症状

耳閉感、自声強聴(自分の声が大きく聞こえる)、自分の呼吸音の聴取が典型的な症状。

低音域の難聴、非回転性めまいが起こり、耳痛、音程のずれなどの症状も起こる。

深い前屈や仰臥位でこれらの症状が軽快消失する事がある。これは耳管周囲の静脈の集合体に血液がたまり、圧迫されて開きにくくなるからと考えられている。

また、鼻すすりでも症状が軽減する。鼻すすりが癖になり中耳の内圧が減少し、中耳炎を発症させることもある。

激しい運動をしたりすると 悪化する。妊娠中にも起こりやすい。 不快な状態が続くと精神的にイライラしてくる。

この病気は、ごく最近まで非常に珍しいものと考えられ、病院でもなかなか診断がつかなかったが、最近の研究では、軽症者を含めると推定患者数600万人、およそ20人に1人に達すると言われている。

意外なきっかけで誰もが発症する可能性がある。精神的苦痛が大きい上に、対応を1つ間違うと耳が完全に聞こえなくなったり、命の危険がある病気に発展することもあると言われている。

歌手の中島美嘉が両耳の悪化で活動を休止している。自分の声が耳に響くので、とくに会話や発声をしなくてはいけない仕事の人にとってはつらい病気だ。

長さ3・5センチほどの細い管の耳管は、中耳内と外気の気圧差を調節する働きをする。エレベーターや飛行機、電車でトンネルを通るとき急激な気圧変化で耳がキーンと詰まった感じになるが、ツバをのみ込むと治るのは瞬間的に耳管が開いて気圧差がなくなるからだ。

開放状態が長時間続くタイプと、開放後鼻すすりにより普段は耳管が狭窄しているタイプがある。

■原因

発症の原因ははっきり解明されていないが、女性に多く、急激にやせると起こりやすい傾向があることから、耳管周囲の脂肪組織の減少、ホルモンや過度のストレスの影響などが考えられている。

耳管はただの空気の通り道だけでなく、粘膜のせん毛運動(排泄機能)などの働きもある。それらの機能低下や粘膜の脱落などの影響で起こることも考えられる。風邪やアレルギーなどの炎症の波及も発症のキッカケになるので要注意。

他には、唾液腺分泌が低下するシェーグレン症候群や脳内の三叉神経の障害などでも起こる場合があることが知られている。

耳の症状は働き過ぎのシグナルと言われており、

感冒後、鼻炎、体重減少、自律神経失調、妊娠、腎透析、低血圧など様々な誘因があります。かぜの後などで早期に治る場合もあるが、難治となる場合もまれではない。

■治療

多くは過度のストレスや疲労の蓄積が背景にみられる。休養は絶対に必要。

以前は治療が難しかったが、加味帰脾湯という漢方薬が効果がある

治療法もきちんと確立されたものはなく、さまざまな要因を探りながらアプローチすることになる。

体重の減少があれば体重増加や脱水予防などの生活指導。薬剤ではトランキライザー(精神安定薬)や漢方薬、鼻腔に炎症があれば抗炎症薬などが処方されている。

それでも改善しなければ、施設によっては耳管粘膜を薬剤で刺激して腫れさせて閉塞させる方法、耳管周囲にシリコンを注入する方法、耳管にピンを挿入する方法なども行われているが、効果は人によってかなり幅がある。

一般的には鼻の奥の耳管開口部(耳管咽頭孔)の処置で耳管を収縮させたり、ルゴールなどの通気度を下げる薬を耳管に注入する。作用は一時的だが、生理食塩水(鼻洗液)の点鼻も有効。症状が強い場合には、鼓膜の振動を押さえるためのテープを鼓膜に張る鼓膜テーピングも行うことがある。