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側弯症
背骨が左右に弯曲した状態で、多くの場合、背骨自体のねじれを伴う。 日本での発生頻度は1~2%程度で、痩せ型の女子に多くみられる。
原因不明の側弯を特発性側弯症といい、全側弯症の8割以上を占める。 そのほか、脊柱の先天的な異常による側弯を先天性側弯症、神経や筋の異常による側弯を症候性側弯症という。
■症状
左右の肩の高さの違い、肩甲骨の突出、腰の高さの非対称、胸郭の変形、肋骨や腰部の隆起(前かがみをした姿勢で後ろから背中をみた場合)、などの変形を生じる。 側弯が進行すると、腰背部痛や心肺機能の低下をきたすことがある。
■診断
コブ角10°以上で側弯症と診断でき、25°未満の場合は経過観察、25°~45°は装具療法、40°以上で手術適応とされる。
装具は骨の成長が止まるまで、入浴以外は常に装着しておく。
脊椎変形強制手術は整形外科内では最も難易度が高い手術と言われている。
コブ角での分類 軽度10°~25° 中度25°~45° 重度45°以上
前屈検査
両肩の高さに左右差、側弯凸側背部の隆起、凸側肩甲骨の突出、ウエストラインの非対称性をチェックする。
■原因
脊柱側弯症は機能性側弯と構築性側弯(本当の意味での側弯症)に大別され、またその原因が明らかなものから、今なお不明なものがある。
疼痛、姿勢、下肢長差などの原因による一時的な側弯状態で、弯曲は軽度で捻れを伴わず、その原因を取り除くことにより側弯は消失する。
②構築性側弯
脊椎のねじれを伴った脊柱の側方への弯曲であり、もとの正常の状態に戻らなくなった状態。
このなかにはいまだ原因がわかっていない側弯症(特発性側弯症)と、原因である病気がわかっている側弯症がある。
特発性側弯症
脊柱側弯症のうち80%前後を占めるが、その原因はいまだ不明。
家族内発生が多いことから遺伝の関与が考えられているが、いまだ特定の遺伝子は明らかになっていない。
成長とともに発症して進行する原因不明の側弯症。
発症する時期によって
乳児期側弯症(3歳以前に発症)、学童期側弯症(4歳から9歳に発症)、思春期側弯症(10歳以降に発症)成人側弯症に分類される。
欧米では乳児期の発症が多いが、日本では乳児期側弯症は少なく、思春期側弯症が最も多く、また女子に多く発症する。
乳幼期側弯症 3歳以前
発症率は特発性側弯症全体の1%前後で、男子に多いと言われている。自然治癒する傾向にあるものと、強い進行を有するものがある。
学童期側弯症 4歳から9歳
発症率は特発性側弯症全体の12〜21%で、女子に多いと言われている。
思春期側弯症(AIS) 10歳以降
細身で背が高い女児に多く、90%以上は、胸椎では左側に側屈(右凸)し、腰椎は右側に側屈(左凸)がみられる。約30%に脊柱側弯症の家族歴があると言われている。
成人側弯症
骨格の成熟や弯曲が固定した後に発症するものもあり、女性であれば閉経後、加齢によるものや、腰痛、すべり症、骨粗鬆症、脊椎不安定症などに伴って起こると言われている。
最も高率にみられる思春期側弯症は圧倒的に女子に多く、側弯の型も共通性がある。 特発性側弯症が進行するかどうかを予測することは難しい点もあるが、年齢や弯曲の型、程度などが参考になる。一般には、年齢が若く、女子では初潮前や骨の成熟が未熟な例は進行しやすいと考えられる。
原因が分かっている側弯症
1先天性側弯症
2症候性側弯
3神経、筋肉の病気が原因で起こる側弯症 脊髄空洞症、脳性麻痺、キンジストロフィーなどの病気
4神経線維腫症による側弯症 レックリングハウゼン症
5血管、結合組織の生まれつきの疾患による側弯症 マルファン症候群など
6放射線治療、やけどによるケロイド、感染、脊椎腫瘍などによる側弯症
■対策
自然治癒することはない。とされている。予防法はいまだ解明されていない。
カルシウムの摂取、姿勢に気を付けることは側弯症の進行を防ぐことはできないとされている。
シュロス法 クラップ体操などが良いとされている。