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井上はり灸整骨院

コラム

症例

筋・筋膜性腰痛

腰痛の中で一番多い疾患。

 

■症状

受傷時の痛みは強くないが、時間の経過とともに痛みが強くなる傾向がある。

長時間の座位、動作時、特に前屈時の疼痛、起床時に痛みが発生する事もある。

ヤコビー線より上方の疼痛、脊柱起立筋や腸腰筋に多い。臀部への負担もかかりやすく殿筋群の疼痛も出現する。

損傷筋肉上の圧痛や硬結、比較的軽い力での圧痛がでる。

特にレントゲンでは異常を認めない。

 

 

■原因

筋肉の疲労による血行障害や過伸張による部分断裂で筋肉が異常収縮し、硬くなる。

運動不足や肥満による筋肉の負担。

長時間の同じ姿勢による筋肉の負担。

 

 

■予防・治療

  • 患部を温める。
  • 痛みが強い時は患部を上にした横向きの姿勢で安静を保つ。
  • コルセットの着用。
  • ウィリアム体操。
  • 適度な運動。

脊柱管狭窄症

50代60代の男性に多い。稀に先天性もある。

 

■症状

間欠性跛行が特徴。歩き始めはよいが、しばらくすると腰から下肢にかけて痛みや痺れが生じる。

前かがみで休むと症状が軽くなり、腰を反らすことで増悪する。

腰の痛みが強くなく、下肢の痺れや痛みが強いこともある。

 

安静時はほとんど症状がない。脱力感、自覚的な冷感や灼熱感はあるが足部の温度は正常、会陰部のしびれ、足底に一枚皮が被さっているような感じ。

 

進行すると下肢の筋力低下、排尿障害がでる場合がある。

 

両下肢の痺れ感は馬尾型、片足だけの痺れは神経根型と、その両方が混在した混合型の3型に大別できる。

閉塞性動脈硬化症との鑑別に注意が必要。

 

閉塞性動脈硬化症の場合は、姿勢を前かがみにしても症状は消えない、足背動脈の拍動が触れない、足部の温度が冷たい、腰部の痛みはない、などの症状が特徴である。

 

ケンプ徴候陽性。

 

■原因

脊柱管周辺の骨や脊柱管内側の黄色靭帯の肥厚によって脊柱管が狭くなり、脊髄や神経が圧迫され症状を呈する。(腰椎の椎間板ヘルニア、すべり症や変形性脊椎症も原因としてある)

 

■予防

  • 歩くときは、杖を突いたり、シルバーカーを押して腰を少しかがめるようにする。
  • 歩行より自転車がよい。

椎間関節性腰痛(ファセットペイン)

椎間関節捻挫および椎間関節症。

 

■症状

ヤコビー線より下方に疼痛が出現する。

腰部の運動は、75%がL5-S1間である。残りの20%がL4-L5間で、5%がL1-L4の間で行われている為、L5-S1間に最も運動負荷がかかりやすい。

臀部まで放散痛が出現することがある。

椎間関節部に限局された圧痛がある。

後屈時の疼痛出現。やや強めの力での圧痛が出現。

 

 

■分類

  1. 椎間関節捻挫
    いわゆるぎっくり腰と言われていることが多く、急性期の痛みである。
    椎間関節の亜脱臼により関節包や靭帯に炎症が起こる。
  2. 椎間関節症
    加齢による椎間関節の変性で、慢性期の痛みである。
    加齢により椎間板のクッション機能が低下し、椎間関節にストレスがかかり炎症を起こしやすくなる。
    起床時や動作開始時に疼痛が強く、しばらく動いていると軽快することが多い。左右対称に磨り減るわけではないので、片側に痛みが起こりやすいと言われているが、両側に起こることもある。

 

■予防

  • 背中を反らした格好を続けない。
  • 重いものを持たない。
  • 同じ姿勢を続けない。

腰椎椎間板ヘルニア

20~40歳代(青壮年)に発症しやすく、次いで10歳代、50歳代が多い。

男性に多い。

 

■症状

腰や臀部、又は下肢に痛みや痺れが生じる。多くは一側性。ヘルニアが大きいと両側の下肢痛を伴うこともある。

 

知覚障害。前屈で痛みが強くなる。疼痛性側弯。筋緊張により腰部が板状になる。

咳、くしゃみ、重い物を持つと痛みが出る。重度の場合、膀胱直腸障害や筋力低下が生じる。膀胱直腸障害がある場合は、手術が必要になる。

 

SLRテスト陽性、ラセーグ徴候陽性、ブラガードテスト陽性。

バルサバルテスト陽性。

●痛みの部位による診断

・臀部~大腿外側~下腿外側~足関節外側の痛み  L5(L4-L5間)の神経の圧迫

・臀部~大腿後面~下腿後面の痛み        S1(L5-S1間)の神経の圧迫

 

●ヘルニア高位診断

  • L2 – L3 FNS陽性
  • L2 – L4 膝蓋腱反射減弱
  • L4 – L5 母指背屈力低下、踵歩行困難
  • L5 – S1 母指底屈力低下、つま先歩行困難、アキレス腱反射減弱

 

■原因

椎間板が外に飛び出して、神経根を圧迫する。後側方に脱出することが多い。

 

L4 – L5間、次いでL5 – S1間に圧倒的に多い。L4 – S1間は可動性が多く、椎間板ヘルニアは良く動く脊椎に起こりやすい。したがって、動きの少ない胸椎には少ない。又、高齢者はL4 – S1間の動きが少なくなるためにヘルニアになりにくくなる。

 

喫煙、不良姿勢や遺伝的要因があると言われている。その他、CILPと呼ばれるたんぱく質が変異し軟骨の成長を妨げる事が要因の一つとされる。

 

内圧が高いと痛みが強い。ヘルニアが靭帯を破って飛び出すと強い痛みは減少するが、坐骨神経痛が起こる。

 

  1. 膨隆型
    内圧が高い。
  2. 脱出型
    ⅰ)後縦靭帯を破らない脱出型。内圧が高い。
    ⅱ)後縦靭帯を破った脱出型。内圧が低い。
  3. 遊離型
    内圧が低い。
    脱出型はマクロファージが脱出した髄核を異物とみなし、3~6ヶ月で吸収し、痛みが軽減する。
    膨隆型はマクロファージの働きが期待できないため、症状が長引くことが多い。

 

■診断

MRI、CT。(レントゲンには写らない。)

最近ではヘルニアの手術をすることは少ない。

 

■予防

  • 重い物を持たない。
  • 同じ姿勢を続けない。
  • 腹筋と背筋を鍛える。(歩行だけでもよい)
  • マッケンジー体操。