症例
寝違え
■症状
急に頚部及び肩甲帯部に疼痛を覚え、頚椎の運動制限がある状態。
頚の筋肉に持続的筋収縮が起こり、筋肉の血流が妨げられて代謝産物がたまって炎症を起こしたものとみられ、筋肉痛に似た痛みが生じる症状のことである。多くの場合は数日で軽快する。
泥酔状態で睡眠した場合、通常の睡眠とは異なり昏睡状態に入るため、昏睡状態での睡眠時は寝返りなどの行動も減少し、同一姿勢のまま眠りにつく傾向にあるため、一部分に負担をかけ続けてしまうため寝違えが起こる。
寝違えは、椎間関節の捻挫とも言われている。
■原因
疲労、寒冷、湿度や気温の激変などのほか、枕を変えたり、睡眠中に無理な姿勢を取ったり、無理な頚の動かし方をしたり、起き抜けに不用意に頚を捻ったりしたことなどが誘因となる。
■対処法
- 無理に頚を動かさない。痛みが強いときは、体勢を起こしているだけでも頭の重みで負担となるため、横になり頚にかかる負担を軽減し安静にしておく。
- コルセットを巻く。
頚部捻挫
■症状
追突事故やスポーツ等で頚椎が過伸展し、次いで反動で過屈曲して生じる。あるいは頚を強く捻られて、頚から肩の痛みや頭痛等がでる疾患。
一般的にむち打ち損傷と呼ばれる。
可動域制限、上肢の痺れ、肩こり、めまい、吐き気も見られることがある。付随して起こる脳震盪の症状として、意識障害も見られる。
受傷直後は頚部の熱感、数日以降に強い頚部痛と頭痛が起こり、吐き気が出ることもある。
心因的要素も影響を与える。
レントゲン上は異常がない。
頚椎カラーによる固定。
二ヶ月以上の長期固定は、頚部痛や肩こりが長期化する原因となるのでよくないと言われている。
●頚椎捻挫の4分類
- 頚椎捻挫型
頚の筋肉や靭帯などが損傷され、頚、肩、背中の痛みや運動制限が起きる症状がある。
むち打ち損傷の全体の70%を占めていると言われている。 - 神経根症状型
頚椎から出る神経が圧迫されることにより、頚の痛みや頭痛、腕の痺れやだるさ、筋力低下などの症状がある。 - バレ・リウ症候群型
頚部交感神経の損傷や圧迫によって頭部に供給される血管である椎骨動脈の血流が低下することで、頭痛、めまい、耳鳴り、吐き気、眼の疲労・・・などの症状がある。 - 脊髄症状型
脊髄が損傷したり、下肢につながる神経が損傷され下肢に痺れなどが起こる症状。