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井上はり灸整骨院

コラム

症例

肋骨骨折

胸部外傷の中でもっとも多くみられる損傷。

重症な場合は、肺損傷などの内臓損傷を併発し気胸や血胸になる場合もあるので注意が必要。

年少者は肋骨が柔らかいため骨折しにくいが、高齢者は肋骨が柔軟性がなくなり、もろくなっているため骨折を起こしやすい。

好発部位は第4肋骨から第8肋骨で、特に第7肋骨に多い。それより上部の骨折は血管損傷を、それより下部の骨折は腹腔内臓器損傷を起こしやすい。

第11肋骨、第12肋骨は浮肋骨のため可動性があり骨折しにくい。    第1肋骨、第2肋骨は胸部の深部に位置し鎖骨、肩甲骨、肩甲帯筋肉に守られ

骨折しにくい。

直達外力によるものと介達外力によるものがある。直達外力の場合、骨折部の転位は胸郭内方凸の転位となる。介達外力の場合、胸郭外方凸の転位となる。

交通事故や転倒などによる大きな外力により発生することが多いが、高齢者は咳や腕を伸ばした動作をしただけで外力がかからなくても骨折することがある。

16歳以降のスポーツをしている方の場合は肋骨の疲労骨折を起こすこともある。

ゴルフや野球などは利き腕の逆の第5、第6肋骨に疲労骨折を発症しやすい。

■症状

骨折部位に一致した疼痛、圧痛、腫脹、皮下出血があり、咳や呼吸時の痛み、動作時痛、介達痛などがでる。

■診断

レントゲンや超音波画像診断により診断は可能。軽度の骨折であったり

によってはレントゲンに異常が認められないこともある。

また、肋軟骨部の損傷もレントゲンでは分からない。

■治療

バストバンドなどで胸部の圧迫固定

安静にしていれば3週間ほどで改善される。

胸郭出口症候群(TOS)

■症状

なで肩の20代から30代の女性に多い。首や肩、肩甲骨周辺の凝り感や痛み、腕や肩がだるくなったり、しびれたりすることがある。

腕を上げると手の血流が途絶えて血行障害が生じて、掌が白くなり、しびれを感じることがある。

熱感・冷感、脱力感なども感じることがある。ひどくなると、耳鳴りやふらつき感、後頭部から耳、口のあたりのしびれ感にまで及ぶことがある。

手指の運動障害や握力低下のある場合、手内筋の萎縮により手の甲の骨の間がへこみ、小指球筋がやせてくる。

モーレーテスト陽性  アドソンテスト陽性 ライトテスト陽性      アレンテスト陽性 エデンテスト陽性

3分間挙上負荷テスト(ルーステスト)陽性

■原因

鎖骨周辺で腕神経叢や鎖骨下動脈、鎖骨下静脈を圧迫する原因がいくつかあり、これらをまとめて、胸郭出口症候群と言う。

前斜角筋と中斜角筋の間で圧迫されると斜角筋症候群。

鎖骨と第一肋骨の間で圧迫されると肋鎖症候群。

小胸筋を通る時に圧迫されると過外転症候群。

頚椎にある余分な肋骨に圧迫されると頚肋症候群という。

胸郭出口症候群には牽引型と圧迫型に細分され、牽引型(ストレッチ型)はなで肩の女性に多い。肩甲帯が下がっていると、常に腕神経叢が牽引された状態になる。

圧迫型は筋肉質の男性でいかり肩に多い。

胸郭出口症候群の患者の8割~9割りが牽引型と言われている。

また、頚の形状がストレートネックになっていると、肩がなで肩になりやすい。レントゲンで正面から見ると、正常な場合は鎖骨がV字に写って見えるが、なで肩の場合鎖骨は水平に見え、首も正常より長く写る。

第7頸椎に肋骨がある場合があり、それを頚肋といい、頚肋は胸郭出口症候群の原因の一つとされる。

鎖骨上窩の頸椎寄りのところの触診で、骨性の隆起を触れば頸肋の可能性が高い。

■治療

なで肩、筋緊張、ストレートネック、不良姿勢などは、猫背(肩の前方への巻き込み)になっていることが多いため、猫背を改善させ、神経と血管の通り道を確保してやる必要がある。

痛みが軽くなったら、筋力トレーニングなどの運動をして、首から肩にかけての筋肉を鍛える。そうすることで、鎖骨と肋骨の間が広がり、痛みが出にくくなる。

上肢やつけ根の肩甲帯を吊り上げている僧帽筋や肩甲挙筋の強化運動訓練を行ない、安静時も肩を少しすくめたような肢位を意識する。

首や肩に負担をかけない姿勢を心がける。あごを引いて、背すじを伸ばす。

そうすると頸椎が自然なカーブを描くので負担が軽くなる。

長時間同じ姿勢を続けない。1時間に1回は休憩をとって、体を動かす。

肩や首、腕を回したり、背を伸ばす。

症状を悪化させる上肢を挙上した位置での仕事や、重量物を持ち上げるような運動や労働、リュックサックで重いものを担ぐようなことを避ける。

十分な睡眠をとり、疲れをためない。

首や肩の冷えに注意する。お風呂などで温めて血行を良くする。

オスグット・シュラッテル病

成長期(特に10歳~15歳)のスポーツをしている少年少女におこりやすい膝下にある脛骨粗面の痛み。

比較的男子に多い。

膝の代表的な骨端症。骨端症を成長痛の一つとみるか別とみるか意見が分かれている。

オスグッド・シュラッター病、オスグッド・シュラッター症候群、オスグッド病とも言われる。

大腿四頭筋の筋力に引っ張られ、脛骨粗面が変形し突出してくる。ひどければ骨が剥離して骨片(オシクル)がみられる。

サッカー、バスケット、バレーボールなどの跳躍をするスポーツに多い。

■症状

脛骨粗面部の痛み (正座時の痛み、走行時、歩行時の痛みひどくなると安静時でも痛くなる)

患部の突出変形、腫れ、熱感

脛骨粗面部の限局した圧痛

一ヶ月ほどの安静が出来れば、症状が治まることが多いが、運動を再開すると再発をくり返す。

ほとんどの場合は小学生高学年から中学生の期間で起こり、高校生(16歳~18歳)になると骨の成長が止まるので症状が治まることが多い。

■原因

膝伸展機構は大腿四頭筋から膝蓋骨、膝蓋靭帯・膝蓋腱、脛骨粗面へと連続する。スポーツ選手では膝伸展の反復により、これらの部分に牽引力が働き、脛骨粗面が弱点となり、疼痛が起こる。

10歳~15歳の骨は成長の過程で柔らかい骨から硬い骨へと変わっていくが、 その間の骨はやや不安定な状態になり、運動などの刺激によって異常が生じるものと考えられている。
こうした不安定な状態は、骨の成長スピードに膝周辺の筋肉や腱の成長が追いつかず、アンバランスな筋骨格構造になることが主な要因で、こうした状態に過剰な運動による負荷が加わることで症状が現れる。

■治療

安静が第一。キックやジャンプの動作は禁止となる。

温熱療法、大腿四頭筋のストレッチングや筋力強化訓練などのリハビリが効果ある。

大きな骨片が存在する場合には手術的に摘出することもある。

時期が来れば痛みは消えると言われているが、実際はスポーツなどは完全に中止し、休養をとらないと完治は難しい。